念のため、足音を余り立てないように気を付けながら尋ねる。
「レム。ところでうちに何の用なの?」
「用、というより。確認してみたい事があって」
言いながら近くにあった箒を掴む。先ほど少女の母親が立てかけた物だ。
「どうするのよそれ」
「使うんだよ」
問いかけると、返って来たのは端的な言葉。
あっさりとした少年の返答に嫌な予感を覚え、眉根を寄せる。
「……あのさ、レム。もしかしてその『この箒で空を飛ぶんだ』とか言うつもりじゃ」
僅かに引きつった笑みを浮かべ、小さく首を傾けた。
空を飛ぶ、という言い方自体は間の抜けた物だが、出来ない事ではない。一つの大きな問題と、疑問点を除いては。
ぎこちない笑みを浮かべる少女を尻目に、
「やや語弊がある物の、そうだけど。どうしてそう言う顔するかな」
レムは表情一つ動かさず、平然とした口調であっさりと頷く。
それだけではなく少女に、疑問の色を含んだ視線を注いだ。
クルトはぷうと軽く頬をふくらませ、
「だ、だって。そりゃ確かに箒は箒だけど。大体動ける箒って言うのは魔女とか、魔術師が愛用した品で、長年魔力を蓄積した奴でないと駄目。とか言ったのレムでしょ」
バタバタと無意味に大きく腕を振り回しながら少年を睨む。音が立つ事を考慮したのか、地団駄を踏むのは堪えたようだ。
「だから、確認したいって言ったでしょ。君、箒扱うの駄目だよね」
何度も言わせないでよ、とでも言いたげな吐息を軽く吐き出し、握った箒の柄を少女に向ける。
「う、うん。毎回毎回偉い目に遭うから」
差し出された柄を眺め、言葉を濁しながら首を縦に振る。
彼が何をしようとしているのか、クルトには想像が付かなかった。訳が分からない。
海色の瞳は好奇心で彩られている。気が付かれないよう、そっと表情の変化を探ったが、レムの意図を上手く汲み取る事は出来なかった。
「ま、やるだけやってみるよ。この箒両手で持って」
肩をすくめ、よく分からない言葉を吐く。早く受け取れ、とでも言うように軽く箒を動かした。
「え、あ……うん。良いけど」
言われたとおり渡された箒を軽く持つ。警戒はあったが、好奇心の方が先に立った。
「で、魔力を込める。って分かる?」
「ん。何となく……こう、かしら」
手の平で包むように持った柄に向けて意識を集中する。少女の身体を管代わりに、じんわりと暖かな光が箒に行き渡り始めた。
「もっと強く」
「こ、こう?」
右手だけで持ったまま、左手の平を柄に軽く押し当てる。ゆわりと指先を動かし、絡み付く魔力を楽しむように手の平で柄を何度も撫でる。ぴり、と指先に放出した魔力がまとわりつく。
放出された魔力の波動に辺りの草は激しくそよぎ始めている。
魔導具を充填するには十分すぎる程の魔力の量。
「もっと」
だが、少年は冷淡に言い放つ。クルトは小さく唇をかみしめ、レムの瞳を見る。
続けろ、と言う事なのだろう。少年は軽く腕組んだまま静かに少女を見据えていた。
「うー…」
更に魔力を強めるため呼吸を整えた。深い瞑想状態への準備だ。
この時点だけでも先ほどより魔力が上がっている。
だが、
「まだ」
少年は待ったを掛けない。
(く……。め、目一杯やれってこと!?)
息を整えながら迷う。このまま魔力を高め続けるか、否か。
レムの目的はよく分からないが、今魔力を高めるのを止めても終わる事はないだろう。
恐らく彼の目標の魔力の高さまで何度も同じ事をさせられるはずだ。
(うう。ほ、箒が壊れちゃっても知らないんだからーっ)
ちら、と視線で訴えてみたが、相手は完全に無視。抵抗は無駄だと判断し、少女は腹を決めた。
ゆっくりと瞳を閉じ、身体を僅かに脱力させる。
目を閉じる行為は集中とはあまり関係がない。だが、視界が閉ざされる事で余計な雑念が生まれるのを防ぐ役割は果たせる。
闇の中では感覚が鋭敏になる。魔力を感じ取る感覚も、また同様。
一気に魔力を放出してしまえば少女自身に負担が掛かる。クルトは自分の放出した魔力の様子を調べながら、力をゆっくりと強めていった。
彼女の身につけた新緑色のマントが激しくはためき、二つ括りにされた紫水晶色の髪が浮き上がる。背の高い草は、押されたように横倒しになった。
「魔力を注ぐだけで、余波がここまで」
少しだけ気圧されるようにレムが半歩ほど後ろにずれ、小さな呻きを漏らした。
瞳を閉じ、集中している少女は気付かず力を高める。
「んーーー」
常人では身体が押さえつけられ、息が苦しくなるほどの魔力の重圧。少女はその中心で箒の柄を軽く押さえ、力が行き渡るように念を込め続ける。
延々と続くかと思われた行為。しかし、終わりは唐突に訪れた。
ばん。と不意に少女の手が跳ね上がる。
額に鈍い衝撃。
「あう!?」
仰け反るように後ろに尻餅をつく。
「いっ………たぁ」
束縛から逃れたそれは、少女の視線ほどの高さで滞空し、ゆらゆらと揺れていた。
細長いシルエット。焦げ茶色の見慣れた箒。
ほうき。そう思考が判断すると同時に少女は横に転がった。
ず、と重い音がし、恐る恐る視線を向ける。先ほどまで居た地面を抉るようにして箒の柄が突き立っていた。空恐ろしい事に、箒の三分の二ほどが埋まっている。
目はないが、掃く部分がキラリと怪しく光る。いや、光ったように見えた。
(え。う、え? え? え? 何で動いてるのよこの箒。
あの、さっきまでごく普通の。ごくごくごくごく、ふつーの箒だったわよ、ね?)
パニックを起こしている少女を尻目に、箒はゆったりと柄を引き抜き、クルトの目の前まで近寄ると、思い出したようにいきなり頭を横薙ぎにしようとする。
「きゃーーー!?」
反射的に悲鳴を上げ、頭を抱える。飛び退く等という考えは混乱する頭では考えつかない。
まさに打ち据えられる寸前。
パチン。
微かな音に反応し、箒が叩きつけようとしていた柄を止めた。
クルトは固まったまま眼球だけ動かし、なんとかそちらを見る。少年が合わせた指先をゆっくり解くところだった。
どうやら、指を打ち鳴らしただけで動きを止めてしまったらしい。
「おいで」
涼やかな命令。広げた手の平に吸い付くように箒が収まる。
一瞬前の騒がしさから解放され、辺りは静けさを取り戻した。抉れた地面だけが先ほどの痕跡を残している。
「う、うう……ど、どうなってるのよ」
恐怖で凝り固まった指を苦労して外し、呻く。
左手に箒の柄を持ち、
「見たままだけど」
少女に視線を落として答えとも言えない答えを紡ぐ。理解不能な現象が目前で展開されても、眉根すら動かさない。
「見たままで分かんないからきいてんのよッ!!」
色々と理不尽な物を感じながらクルトは苛立ちを隠さず、叩きつけるように喚いた。
「叫ばないでよ」
大声に耳が痛むのか、白い獣毛に覆われた彼の両耳が軽く伏せられる。
少女はレムの胸ぐらを力一杯掴み上げ、
「叫ぶわよ喚くわよ。教えてくれないんなら延々耳元で『レムは小動物が好き』とか『実は大切に大切〜にお花を育てている』とか喚き散らしてやるんだから!」
歯の根をギリギリと軋ませるように唸る。端から見ると身長差で、掴み上げるというより、だらんと服にぶら下がっている風にも見えた。
胸ぐらを掴まれたまま小さくため息を吐き出し、
「相変わらず嫌なのかなんなのか分からない脅し文句だけど。君、馬鹿じゃないなら少し考えれば分かるよね」
振り払うのも面倒なのか、それとも既に諦めたのか。レムは特に抵抗せず、屈むような格好で淡々と言葉を紡ぐ。
少女は先程の恐怖でだろう僅かに潤んだ紫色の瞳を瞬き、ひたりと動きを止めた。
詰まったような沈黙ののち、手の平に込めた力を緩め、
「少しだけ馬鹿で良いから分かりやすく教えて」
ぎこちなく視線をずらし、唇を開いた。
少年は黙考するようにクルトを眺め、
「…………ただの馬鹿は嫌なんだね」
一拍ほど間を開け、ぽつりと漏らす。
「微妙に馬鹿で良いから教えて」
否定はせず、手の平を解き小さく口をとがらせた。
追求するのも馬鹿らしくなったのか、
「そうだね。まあ、君が言ったとおり動けるほどの箒は魔術師や呪術師等の、魔力を持つ人間が使い込んだもの」
少年は少しだけ呆れたように掴まれて乱れた襟元を整える。
「で、何で動けるようになるか。と言うのは知ってるよね」
途中で言葉を途切れさせ、確認するように少女を見た。
クルトは僅かに考えるような仕草を見せ、
「たしか……長年蓄積された魔力とかが原因、だっけ」
唇に自分の指を這わせながら口を開く。
レムはその答えに満足したように頷き、
「そう。そして君は魔力を充填する魔導具に触るだけで許容量一杯までためる事が出来る」
「というか、触った時点で勝手に魔力が道具へ行き渡ってるのよ」
眉を寄せて首を振り、少年の言葉を訂正する。
「ここまで言って答え、でない?」
淡々とした説明が止まり、何処か試すような言い方で言葉を紡ぎ、僅かに首を傾ける。
答え。答えは、もう少女の中でまとまっている。いや、少女でなくても大分前の時点で答えは出ただろう。
「……もしかして、その……あたしの体質とか魔力とか利用して実験した、とか」
ゆっくりと、唇から言葉を吐き出す。
その実験内容は、ある意味少女が図られたと考えてもおかしくない中身だった。
「そうだね。含まず言えば」
否定して欲しい少女の心内とは裏腹に、あっさり含まず肯定してくれる。
「れ〜〜〜むーーーーーあんたって、あんたって奴はーーー。実験内容言わないでする!? 普通」
レムの肩を鷲掴み、半泣きでガクガク揺さぶって、唸る。
「する。大体、君言ったら手伝わないでしょ」
即答。激しく揺さぶられながらも、表情一つ変えない。
「当たり前よ! あたしがど、れ、だ、け、この箒どもに苦汁をなめさせられたか!」
揺り動かす体力が続かなくなったのか、少女は僅かに息を切らしつつ肩から手を外した。
「口調」
乱れた言葉遣いを指摘すると、クルトは『うぐ』と微かに呻いて口元を手の平で覆った。
気を取り直すように頭を振り、
「ま、毎回毎回。箒に叩かれるわ蹴られるわぶたれるわ。もう、最悪なんだから、動く箒嫌いになっても仕方ないでしょ」
口を覆っていた手を外し、ぐぐっと拳を握る。勢いよく身体を動かしたせいで少女の紫色の髪が大きく跳ね上がった。
「それの事なんだけど、多分君の体質が大まかな原因だと思うよ」
「へ」
レムの漏らした一言に、固く握りしめた拳が緩む。
「確かに授業で使われる箒は動くけれど、君が持っていた箒みたいに跳ね回るほどの魔力は貯めてない」
軽く手の平を広げ、少女を見る。
紫の瞳を大きく見開き、
「え、だ、だけど毎回あたし派手に顔をはたかれてるわよ」
赤くなった額を指先でなぞり、ブンブンと片手を振り回す。そう、毎回派手に叩かれているのだ。先ほどのように。
彼女の使おうとした箒達は毎度毎度容赦なく跳ね回り、顔面に強烈な一撃を叩きつけようとする。何度跳ね飛ばされたか数え切れない。少女の言う通り、動く箒嫌いになっても仕方ないだろう。
「箒を使うとき、意識を指先に集中するよね」
不意に、レムが口を開く。
箒に乗るときの手順は、指先に意識込めて集中し、箒を制御する。
意識を指先に集中する、それは箒に乗る時の最も基本的な第1段階だった。
「そ、そりゃ。集中しないと箒には乗れ――――」
当たり前といえば当たり前すぎるレムの台詞に、反論しようとした言葉が途切れた。弾かれたように少年が掴んだ箒を見る。
少年に掴まれたソレは、相変わらず元気よくウネウネと蛇のようにうねっていた。
「そう。その集中時に君の意思を伴った魔力が箒へ行き渡り、元気になる、と。人間で言うところの精力活性剤を打ち込まれるような物だね」
その言葉に。クルトは横合いから鈍器で殴られたように、ふら、と地に膝をつく。
「…………じっ、じゃあ、毎度毎度元気すぎる箒に当たるのは、運が悪いんじゃ、なくて」
「必然。この調子じゃ、普通の箒まで動く箒になってそうだよ」
愕然とした少女の呻きにとどめの一言。
「ほ、箒なんて、箒なんてーキライだーーー」
心からの叫びに、ぐい、と少年の身体が傾く。箒の柄の部分がこれ以上ない程に折れ曲がり、手の平から抜け出そうと藻掻いている。
「……っ」
激しい抵抗に微かに眉根を寄せ、素早く呪詛を口の中で呟き箒の動きを抑圧する。
よほど少女の喚きが感に障ったのだろう、今まで大人しかった箒が暴れ狂っている。ともすれば弾かれそうになる指先ごと腕を押さえつける。
呪詛と強い念で箒の意志を絡み取ると、諦めたのかようやく抵抗が収まった。
「全く、君どれだけ魔力が。この箒動けるだけじゃなくて意志まで持ってるね」
緊張を解いて安堵の吐息を吐き出し。毒づきながら少女を見ると、よほど驚いたのか座り込んだまま大きく瞳を見開き、固まっていた。
「でも、使い込まれていない箒だけあって普通の箒より制御が難しいね」
「じ、じゃじゃ馬?」
そのままで居るわけにもいかず、ゆっくりと立ち上がり、気まずい空気を緩和させるように、クルトは引きつり気味の笑みを浮かべて首を傾けた。
「生みの親に似るんだね」
「し、失礼ね!」
スカートに付いた泥を払い、憤慨したように少年を睨み付ける。
『言ったのは君だよ』と言いかけ、指先から伝わった動きに箒を見る。まだ諦めきれないらしく、ぐねぐねと少女の方に柄を傾け、身を動かしている。僅かに不愉快そうにレムは小さく片眉を跳ね上げ、
「ああ、もう。鬱陶しい」
微かに呻き、箒を掴んでいない手を広げた。
ズビシ。
刹那。
小気味良い音と共に、酸欠の魚のような動きで暴れ回っていた箒の抵抗が止む。
「…………」
黙したまま大人しくなった箒を見つめる少女。上手く言葉が出てこない。
「コレならそれなりに使えそうだね」
少年が頷き、開いた掌でなぞると、まるで人間が背筋を伸ばすように柄がぴん、と垂直になる。そこでようやく意識が覚醒した。
「レム。今気のせいか手刀叩き込まなかった?」
「気のせいだよ」
声音すら変えず、首を振る。
「そ、そっかー。気のせいかー……あははははは。
うぅ。絶対気のせいじゃない気がするんだけど」
乾いた笑い声を上げて納得しようと試みるも、鼓膜を震わせた音と、網膜に焼き付いた光景は剥がれ落ちそうになかった。深々と疲れたため息を吐き出し。
「ねえレム。思うんだけど」
「なに」
名前を呼ぶと返答が帰ってくる辺り、無視はされないらしい。
言うか言うまいかしばし悩んだのち、たっぷりと間を開け、
「レムさ、この頃力業増えてきてない」
言葉を紡ぐ。
「…………」
反論は無かった。考えるように海色の瞳を少しだけ動かし、
「そう。気を付けないといけないね」
何故か少女の方を眺め、頷く。
「ちょっと。何であたしを見るのよ」
流石にカチンと来たのか、クルトは頬をふくらませて、少年の袖を思い切り引っ張った。
「まあ、それはともかく」
「それはともかくじゃないわよ! なんであたし見てああいう台詞になるのよ!?」
何事もなかったかのように綺麗に流されるが、伊達に五年も付き合っては居ない。
反り返った針のようなしつこさで、話に食らいつく。
「手刀は入れてないよ」
「いや、絶対入れてた。って誤魔化さないでよ! しかもへんな誤魔化し方だし」
微妙に論点のずれた反論に反射的に突っ込みを入れ、グチャグチャになりかけた思考を整理するために大きく頭を振って、逃さないように袖を握った手に力を込めた。
袖口を気にするそぶりも見せず、箒を握りしめた腕を軽く持ち上げ、
「じゃあそろそろ行くよ」
まるで事前に打ち合わせてでも居たような口ぶりで、それだけを舌に載せた。
「行くって」
前触れ無い少年の言葉に間の抜けた声を上げ、首を捻る。
一瞬、呆れたように半眼になり、
「決まってるでしょ。何のために実験したと思ってるんだよ」
握っていた箒をクルトに突き出す。
「あ」
そこでようやく、クルトは少年の意図に気が付き、声を上げた。
今までの実験はただの好奇心だけではなく、更に少女を脅かすためでもない。
彼は動く箒が目的だったのだ。確かに空を飛ぶ方が歩いていくよりも遙かに効率的だ。
「どうしたの。行くよ」
と、同意を求めてくる辺り、乗れと言う事なのだろう。時間が勿体ないと蒼い瞳が言っている。
愛想笑いに近い笑みのままで彼の手元にある箒を見る。緊張でぎしりと自分の身体の軋む音が少女の耳に聞こえた。
乗る、この動く箒を?
現在進行形でキライでもあり、先ほど思いっきり額を叩かれた箒に。
乗る?
だらだらと、クルトの背筋に嫌な冷や汗が流れ落ちる。
「あ、ああああああ。あの、その。あ、あたしはここで待ってるわ」
呂律の回らない舌を無理矢理動かし、妙にぎこちない動きをしながら結構、と言うように片手を振る。
「待ってどうするの」
至極もっともなレムの質問に、びく、と異様なほど身体を震わせ、
「えと、うと。そ、そう! 先輩呼んでくるまで時間掛かるでしょ。破れた結界の補強、というか簡易結界でも張って森から出てくる魔物押さえてみる」
無意味に大きく片腕を振り回し、抜け出てきた森を指さして出来る限りの満面の笑みを浮かべた。少女の言葉を吟味するように耳を傾けた後、
「……ふぅん。今思いついたにしては悪くないね。良いよ、それやっておいてね」
僅かに目を細め、小さく口元に笑みを浮かべた。
(うっ。ばれてる)
「あ。う、うん。任せて!」
適当に答えたモノの、やっておけと言われた手前、やっておかないと後が怖い。
大きく胸を張って少女は勢いよく頷いた。
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